壁外遠征
「進撃の巨人」の世界では人類の活動範囲は壁の内側に限られており、他の壁都市との交流のようなものはない。いわば引きこもり状態だ。壁の外は無数の巨人が徘徊する森や荒野が広がり、かつて巨人が出現する前に存在していたはずの文明の痕跡すら多くは見られない。
そんな状況下において、人類が巨人を駆逐し活動領域を広げるために壁外の探索・調査が定期的に行われており、調査兵団がそれを担当している。
言うまでもなく巨人の生息地へ自ら飛び込む行為は大きな危険を伴い、団長いわく新兵が初めての壁外遠征で生き残る確率は5割。絶望的な数字である。一巻では100人で出発した遠征隊が帰投時には20人足らずであったと記されている。
調査兵団は好奇心にあふれた子供たちからは英雄視されることもあるが、大規模な人員と予算を割いても大きな成果を得られず損耗だけが膨らむことが多いため、税金の無駄遣いを指摘する声もある。
この世界では壁の外について書かれた本や記録は禁制であり、例えば海や氷山、火山といった壁の中にない自然物について一般市民はほとんど知識を持っていない(塩は貴重品だという描写があるが、海がないなら当然だろう)。調査兵団が壁からどのくらい離れた地点まで到達し、どの程度外の世界の様子を知っているのか作中ではこれまでのところあまり詳しく描かれていない。
潰走した遠征隊の生き残りであるイルゼ・ラングナーが人語を話す巨人とコミュニケーションを取った事実は公には広まっていない(ハンジの話しぶりからするに機密というわけではなさそうだが・・・)。
なお、一番外側のウォール・マリアが破られ人類の生活圏がウォール・マリアまで後退してからは、調査兵団の主な任務は壁外調査ではなく、シガンシナ区奪還のための拠点と補給路の構築であるようだ。