(44)打・投・極

アニメ化の一方で原作連載も最高潮!
今月は発売された単行本10巻の続きがすぐ読めるということで、先月分も再掲載されています。

前回は突如正体を現しエレンを拉致しようとした鎧の巨人と超大型巨人の2体を相手に奮戦する調査兵団と、奮戦したつもりが綺麗に顔面を割られて地面へ大の字にのされるへっぽこ主人公・エレンの活躍が描かれました。

今号では引き続き、鎧の巨人とエレンの手に汗握るパンチの応酬が繰り広げられます。

 

 


進撃の巨人 第44話「打・投・極」  (別冊少年マガジン 2013年5月号掲載)

 

鎧の巨人にいいパンチをもらって気持ちよく大地へ転がったエレン君は訓練兵時代の格闘術の練習を思い出していました…
ってオイ!また回想かよ!

エレンの訓練相手はアニ。過去にも描かれたことがある組み合わせです。エレンが蹴り技を習得した場面との時系列は不明。
アニは父親仕込みの蹴り技名人ですが、投げやサブミッションにも精通しているというエピソードがここで新たに加えられます。

以前のエピソードではエレンとライナーがアニに手玉に取られ宙を舞うという状況でした。
今回はエレンが締めあげられている所へライナーが空から降ってきます。彼を放り投げたのはミカサ。
巨漢ライナーが上空から降ってくるとは、ミカサはどんな技を使ったのでしょうか。

ともかく、ミカサは相当怒っています。その憤怒はアニがエレンを痛めつけているのを見てのものか、それともエレンとアニが寝技で密着していることに対する感情なのか…


最恐女子対決の行方は、ぜひキミ自身の目で確かめて欲しい!

 

アニいわく「この技は人間用なんだ あんたに必要あるとは思えないけど」
アニの父はこれらの格闘技術を対人用に仕込んでいます。巨人化すれば格闘術を使うまでもなく人間を捻り潰せますので、基本は人間の姿のままで人間と戦うことを想定しているのでしょう。とすると単に人類を力と数で皆殺しにする作戦ではなく、目立たないよう潜入し情報を得るような役割を持っていると思われます。

 

回想から我に返ったエレン。眼前に迫る鎧の巨人ことライナー。
フェイントからのダッキングでライナーの右ストレートをかいくぐり、絶好のポジションへ!


※こんなセリフはありません

 

どうですか、この一流ボクサーにも劣らない鮮やかな踏み込みは!

これが「はじめの一歩」ならそのままリバーブローでライナーの肋骨をへし砕き、たたらを踏んだところへデンプシーロールで完全決着!のパターンですが エレンはここからアニ直伝の投げ技へと持ち込みます。鎧の巨人は全身硬化能力があるので殴ったところでビクともしませんからね。

「お前らが一体何のためにこんなことやってんのか知らねぇけど
よく考えりゃお前ら色々とお粗末な点が目立つようだ」

「その一つはこれだ オレに戦い方を教えてしまったこと」

エレンはアニから盗んだ技術を惜しみなく披露してライナーを締めあげます。すると無敵の皮膚にヒビが!いける!

 

訓練兵時代はエレンが巨人だなんて本人ですら知らなかったわけですからアニが油断して格闘術を盗まれても仕方ないとも思えます。しかし考えてみれば任務で必要な技術をわざわざ人目に晒す必要はなかったのではないでしょうか。 対人格闘で人より秀でていることがアドバンテージとなり憲兵団への切符が手に入りやすくなったのであれば理由になりますが、「点数の低い対人格闘なんかいくらやっても得にならない」とアニは語っています。


4巻より

数年後、へっぽこ主人公にお粗末と言われる体たらく。これも幼さゆえでしょうか。

 

そんな事を言ってる間にエレンは鎧の巨人の右腕を肘からもぎ取ります。苦悶の表情を浮かべる鎧の巨人。
でも四肢を奪った所ですぐ再生するのでは…?

今の状態では決定力を欠くと判断したアルミンがエレンへ退却を指示。
エレンもすっかり理性的な巨人になってしまい、後先考えずに暴走することはもうないようです。

104期の身内に敵が潜んでいると知ってからのエレンは優柔不断でビビってる場面が多く、「とにかく巨人をぶっ殺したいです」と言ってリヴァイを唸らせた狂犬ぶりはすっかり影を潜めてしまいました。今回も逃げに徹しろというアルミンとハンジの進言を素直に聞き入れ、逃げ出す算段を整えます。

鎧の巨人の足をサブミッションで破壊できるかというハンジの問いかけに、コクッと頷いて返すエレン。
それを見たハンジは意外そうに驚いて頬を紅潮させながら「ドキッ」!
どういう感情だよw あんたの性癖特殊すぎィ!

 

「今は・・・今だけは逃げるが勝ちだ・・・ 正体がバレて追い詰められてんのはお前らだぜ・・・」

逃げるが勝ちの主人公、僕らのエレン!負け惜しみが板についてきました。
頭のなかで延々と敵前逃亡の戦術的な正当性を唱えていますが、ライナーの強烈なタックルに阻まれ足を狙うことができません。

 

ハンジは鎧の巨人の構造を観察し、昔の戦争で使っていた甲冑の構造的な弱点、すなわち脇・股・膝裏の可動部分はプレートで覆えないという理屈が通じるのではないかと考えます。
それを聞いてミカサはニヤリ・・・とはしていませんでしたが、なるほどそれなら行けるかもという表情。

 

 

タックルを受け転倒ぎわにギロチンチョークでガッチリとライナーの首根っこをホールドしたエレン。力を込めて全身で締める締める!
その隙をついてミカサが正確にライナーの膝裏をそぎ、両足の腱を断ち切ることに成功します。

これでスタコラ逃げ出すかと思いきや、相手が弱ったのを見たエレンは途端に意気軒昂!
相手の弱みにつけこんで強くなる 僕らの主人公です。

「勝てる 鎧の巨人に―勝てる!!」

 

もう嫌な予感しかしないこのフレーズ。
何度お約束をかませば気が済むんだ、ダチョウ倶楽部かよと苦笑しつつページをめくります。

 

今にも首が折れそうなほど締め上げられた状態でライナーは必死にもがき、エレンの体ごと壁際へと移動します。
あの位置は・・・! 見上げたアルミンの眼に映る、壁上の超大型巨人ベルトルト!

ライナー必死の咆哮!
その叫び声だけで意図を察知した超大型巨人は、エレン目掛けて壁上からボディプレス!

「上だあ!!避けろおおお!!」

 このあと一体どうなってしまうのか!? CMの後、さらなる衝撃映像が!!
次回へ続く!

 


メモ

・修正された43話の見開き

前号掲載の43話最終ページと、今号での43話の最終ページが変わっています。

内容は同じでライナーの右ストレートをモロに食らって吹っ飛ぶエレンの勇姿。
どちらも甲乙つけがたい、迫力のある絵ですね。

 

・「昔の戦争」

ハンジのプレートメイルの話を聞いて疑問に思うのは「昔の戦争」です。

人類が壁の中に引きこもるより前の世界に関して記された書物は御禁制のはずで、ゆえに一般市民は海の存在を知りません。
甲冑を着込んで槍で突き合うような中世の戦争について詳しく書かれた書物があるならば、当然軍船を用いた戦略や戦術も出てくるはずですから、一緒に焚書されていてもおかしくありません。

ハンジはどこでどうやって「昔の戦争」を知ったのでしょうか。それとも「壁」の歴史以降で人類同士の内乱が起こっていたのでしょうか。
壁の内側は極めて狭いですから、水や土地を巡っての争いはあっても別段不思議ではありません。

 

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