「進撃の巨人」における人類の活動領域はもっぱら壁の内側で、そこには海がない。

壁外調査に出かけていく調査兵団からも海についての情報はもたらされていないようで、一般市民は海というものの存在を知らず、塩水でできた巨大な水たまりがあるという程度の知識を古い禁制の書物から読み取れる程度である。

そのため当然ながら塩の入手方法が限定されており、塩は宝で商人が真っ先に飛びつくというイメージを幼少期のエレンが語っている。

現代の日本においては塩分というと生活習慣病の原因として嫌われがちな印象であるが、本来生物が活動するためには無くてはならない必須栄養素であり、内陸の住民にとってはどのように安定して塩を得るかが古来より課題であった。特に大陸内部の地域では塩を産出する塩湖や塩泉、岩塩の鉱脈をめぐって争いが起こることも歴史上決して珍しくなく、「進撃の巨人」の世界ではどのように塩の生産や流通が管理されているのか非常に興味深いところである。

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