ライナーとベルトルトの活躍を振り返る(後編)

 

前回の記事の続きです。

ライナーとベルトルト、二人のこれまでの行動を振り返っておさらいしてみます。
彼らは一体これまでどのような発言や行動をとってきたのでしょうか?

なお、当然ながら物語の核心に触れるネタバレを含みます
未読の方はご覧にならないことを強くおすすめします。

(別マガ2012年12月号~2013年3月号まで)

 


ウトガルド城で巨人に襲われた時、ライナーは率先して仲間を守るために働きます。
ベルトルトは「悪いクセだ」と苦い顔。
「お前にはもっと大切な使命があるだろ」ということでしょうか。

 

 

ライナーの心中がわかるモノローグは結構珍しいです。
なぜならその正体は巨人であり、エレンや読者とは別の視点で世界を見ているから。
しかしここでは本心から巨人の侵入を防ぎ、
自分の身が危険であることに焦っています。

 

 

危機に瀕したライナーの脳裏をよぎる回想。
幼いライナー、ベルトルトとそれをかばって巨人に捕まった男性。
ライナーの家族でしょうか? 詳細はわかりません。
この時の巨人がユミルと酷似しています。

 

 

ライナーとベルトルトが執着する「故郷」は簡単には帰れない場所にあるようです。
彼らは一体どこから来たのか?

 

 

絶対帰るぞ!と言った途端にまた身を挺して飛び出すライナー。
どこまでも頼りになる兄貴です。
自分の腕を一本犠牲にし、最後には窓から塔の下へ飛び降りようとします。

ここで飛び降りればおそらく否応なしに巨人化して
この場から逃亡し、行方をくらますしかないと思われます。
目撃者を消すくらいなら最初から助けなくていいわけですからね。

 

 

兵士だから命をかけて人を助けるのは当たり前・・・
そう言い放つライナーにベルトルトはまたも冷ややかな視線。
「昔のライナーは戦士だった。今は違う」

この世界の人類と馴れ合って使命を忘れている、
いずれ殺すかもしれない相手に情をかけるなんて、
と責めているのでしょうか。

 

 

大ゴマを使った割に次の回で何事もなかったかのように忘れられたシーン。
巨人化したユミルに見覚えがあって驚愕するライナーとベルトルトでした。
あいつ、あの時俺らを襲った巨人じゃねーか!

※この後、特にこの件には触れられていません

 

 

ユミルの活躍で巨人の群れを撃退した後、ライナーはエレンを呼んで
こともなげに言い放ちます。あまりの緊張感の無さにエレンも読者も間を外されて
「へっ?」となってしまいましたね。

 

 

ライナーとベルトルト(とアニ)は人類を消し去ることが目的
でもエレンを見つけたからその必要はなくなった・・・
彼らはエレンがいれば故郷に帰れる、一緒に来てくれと言います。
え、なぜ?

 


ちょっと整理します。

 

彼らは少し前にトロスト区へ侵攻しました。
ベルトルトが壁を蹴破り、アニが巨人の群れを呼び寄せたと思われます。

その時点での目的は「この人類すべてに消えてもらうこと」。
それがライナー達が「故郷へ帰る」ことにつながっていたはずです。
そのためにトロスト区からウォールローゼをぶち破り、
人類をさらに一歩後退させるべく攻めこんだはず。

ですがその後タックルで壁を突破する役の「鎧の巨人」は現れず、
エレンが巨人化して大岩を持ち上げ、壁の穴を塞ぎます。

この時、エレンの変身を見ていた者の中に巨人の内通者がいて、
巨人側にとって想定外だった巨人エレンの出現により
計画の変更を強いられたのではないか、とアルミンは推察しています。

 

巨人のサンプル殺害事件が起こり、
エルヴィン団長は壁の中に敵がいる疑いを持ちます。

その後、エレンはリヴァイ班へ編入され壁外調査に出たところを
女型の巨人に拉致されそうになります。

女型の目的がエレンの誘拐であることが確定し、
アルミンによってその正体がアニである疑いが強まったため
エルヴィン団長はエレンを囮に街中での女型捕獲作戦を決行。
これを成功させます。

 

一方その頃、離れた場所で軟禁状態にあったライナーとベルトルトは
予定外の巨人が攻めてきたことに面くらいながらも調査兵として振舞っていました。

その後ウトガルド城で獣の巨人が率いる群れの襲撃を受けライナーは負傷。
ユミルが巨人化し応戦しているところへ、女型の捕獲を終えたエレンやミカサら別働隊が到着。
女型のことはライナーたちには伏せてあります。

一息ついたところでライナーが
「自分とベルトルトは巨人で、エレンが一緒に来てくれるなら故郷に帰れる」と言い始めます。

つまりエレンがいることによってエレンが故郷に帰る手段になるのか、
あるいはエレンを連れ帰ることが帰還の理由になるということですね。
しかし肝心の「どこへ帰るのか」がちっともわかりませんので
あまり考えても仕方ありません。

 

「進撃の巨人」 では女型の巨人の正体が明らかになった辺りから
色々な事実が明らかになっていますが、一向にそれらをつなぐ線が見えません。

・女型の巨人はアニだった!→なぜエレンを狙った?なぜ巨人化できる?
・壁の中に巨人が詰まっていた!→壁は誰が、何のために?
・ユミルが巨人!→なぜ巨人化できる?「ユミルさま」との関係は?
・クリスタの本名はヒストリア、貴族だった!→どういう家柄?
・ライナーとベルトルトが巨人だった!→なぜ侵攻した?どこから来た?

毎回、連載を読んでいて何かしら驚かされるのですが、
結局今のところそれらが描く世界の絵が見えてこないので
ワクワクしたりジリジリしたりさせられます。この話の構成は秀逸。

 

 


 

エレンの協力をとりつけようとするライナーですが
話は噛み合わないまま平行線をたどり、
結局はエレンを力づくで連れ去ることを決意。
ベルトルトも呼応します。

 

 

異変を察知したミカサの瞬速の斬り込みをなんとか防ぎ、二人は巨人化。
エレンとユミルを誘拐しようとしますが、
エレンも巨人化し応戦・・・というところでつづく。

 

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