(39)兵士
進撃の巨人 第39話 兵士
夜間にも関わらず、突如ウトガルド城跡へ襲来した巨人の群れ。
未だ主力部隊を欠き、疲労の色が残る104期生たち。否応なしに応戦を余儀なくされますが・・・!?
巨人が塔の内部へ侵入
調査兵団の班長たちは古城の見張り塔の壁を使い、見事な連携プレーで次々に巨人を仕留めていきます。
しかし・・・! 気がついた時にはもう入り口の木扉は破られ、巨人が侵入した形跡が見られました。
「生きているうちに最善を尽くせ」
上官命令に従い、バリケードを築くために屋上から下階へ向かって駆け下る104期の面々。
最も危険な先頭を迷わず引き受け走るライナーは、階段を登ってくる小型の巨人と遭遇します。
急ぎ扉を閉め、かんぬきをかけた上に自らの巨躯で扉を支えますが、巨人の腕はあっさりと扉をぶち抜いてしまいます。
「うそだろ・・・? これじゃあ全然もたねぇ・・・」 青ざめるライナー。
彼の脳裏をよぎったのはまだ幼い頃、かつて巨人に襲われた時のこと。
ライナー、そして同郷出身のベルトルトは巨人に捕まりそうになりますが、身を呈してそこへ割り込んだ男性がいました。
(兄? 父親? 彼らの身の上話をちょっと振り返ってみないと、今は思い出せませんでした)
駆けつけたベルトルト! 農作業用のフォークで巨人の目を潰し、二人がかりで押し支えます。
後ろからはコニーとユミルが車輪付きの大砲を持ちだしてきました。火薬も弾もないため、重い大砲そのものを巨人へぶつけて動きを封じる作戦です。
勢いをつけて階段を滑り落ちていく大砲!
都合よく大砲が巨人の上に覆いかぶさる格好となり、小型の巨人の力ではそれを跳ねのけることはできそうにありません。
とりあえず巨人の足止めには成功しましたので、一旦後退して体勢を立て直します。
「入ってきたのが一体だけとは限らないし・・・」
そういって階下を振り向いたクリスタの目に映ったのは、コニーの背後に忍び寄る新手の巨人!
気づいたときにはすでに捕食距離に入られています。
コニーが振り向くのと同時に、そこへ割って入ったライナー!
回想シーンの「あの時」と全く同じです。巨人の大きく開いた口が3コマかけてゆっくりとライナーに迫り・・・
ガム!! ライナーは右腕に食らいつかれます。幸いサイズの小さい巨人ですので、一口で持っていかれるには至りませんでした。
がしかし、ほとんど丸腰の彼ら。武器らしい武器もなく、まともな対抗手段がありません。このままでは・・・!
ライナーは己の膂力を振り絞ると雄叫びとともに巨人を担ぎ上げ(ハンジによると巨人は見た目よりすごく軽い)、塔の階段にある窓へ向かいます。
彼の意図を察知した仲間たち。ライナーは巨人もろとも飛び降りるつもりです。
「これしかねえだろ!!」
鬼気迫る表情で窓から身を乗り出すライナー。ああ、ライナーさようなら・・・
いち読者として覚悟を決めた私でしたが、なんとここでコニーがナイフで巨人のアゴの筋を切断し、ライナーの腕を離させることに成功!この小坊主、タダのバカじゃない!
あとはユミルとベルトルトが二人がかりで巨人を窓から突き落とし、難局を乗り切ることに成功しました。ホッと一息です。
バリケードはできたものの
階段の扉を閉め、木材で補強したバリケードを作り終えて腰を下ろすメンバーたち。
クリスタはライナーの傷の手当。城に残されていた酒をトポトポと傷口にかけ、消毒を行なっています。
酒は貴重品だと思われますが、アルコールで消毒ができるという知識はあるようですね。
実際には保管状態もアルコール度数も不明な酒を傷口にかけるなんてことはやりたくありませんが・・・。
ともかく、ライナーの右腕は骨折していますので添え木と包帯が必要です。しかし布がありません。
なんのためらいもなく自分のロングスカートを裂いて添え木を巻くクリスタ。
「その・・・こんな汚い布しかなくて ごめん・・・」
上目遣いで謝るクリスタに対し
「イヤ・・・助かる」 とクールに振る舞うライナー君、こう見えても思春期でした。
クリスタは腕を吊る三角巾までスカートで作ったようなので、もしかして今後は「裸&ブラウス」みたいに脚を丸出しで行動するのか!?
と身を乗り出して期待したのですが、後のコマでは普通にスカート履いてました。どんだけ布が豊富なスカートなんだよ!畜生!!
命を助けられたことに礼を述べ、ヒーローぶったり偉そうにしないライナーに感嘆するコニー。
ベルトルトにライナーってずっとこういう奴なのかと尋ねますが、ベルトルトは意外なことにこれを否定。
「イイヤ 昔のライナーは・・・戦士だった 今は違う」
頬に冷や汗をかきながら、温かみのない目でそう吐露するベルトルト。
ライナーは何のことかわからず聞き返しますが、ベルトルトは答えませんでした。
ユミルが窓から外の様子を窺うと、調査兵団の上官たちはすでに目ぼしい大型巨人をあらかた片付けていました。さすがは死亡率が尋常でない調査兵団で生き残っているだけのことはあります。
これなら巨人の群れを撃退できそう・・・そう安堵したのもつかの間、どこからか「ヒュルルルルルル」という飛来音。
轟音とともに厩が砕け散り、つないでいた馬が潰れます。音の正体は岩の塊。
さながら砲撃のごとく、続けざまにどこからか飛んできています。直撃を受けて上官が2人死亡。
岩が飛んでくるのは壁の方角。獣の巨人の仕業に違いない・・・!
壁を見やったコニーの眼下には、さっきまでの倍以上の数で押し寄せる巨人の群れ・・・!
壁の上で両腕を振り上げ、雄叫びを上げる獣の巨人。なんら打開策を見いだせないまま、再び戦闘続行です。
次号へつづく
気づいたことメモ
今回はストーリの縦軸には大きな動きはありませんでした。物語のキーワードや謎に触れそうな内容もなし。
「ライナーは昔は戦士だったが今は違う」というベルトルトの謎めいた物言いだけが小骨のように引っかかっていますが、今は情報が足りません。
猿巨人・・・劇中では「獣の巨人」と呼ばれることになりそうですが、彼の目的がいまだ不明。城を拠点にしていたのは彼だったのでしょうか。
そしてそこに残してある何かを見られたくないがために、今巨人たちをけしかけて104期たちを殺そうとしている・・・?
新手の巨人たちがどこから来たのかもよく分かりません。獣の巨人があらかじめ一部の戦力を城へ向けて残りは待機させていたのか、このタイミングでどこからか新たに呼び出したのか。
主力部隊が合流するまで今のメンバーだけで生き残ることができるのでしょうか。
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