(25)嚙み付く
104期生たちは森の入口、樹上で巨人を引きつけていました。
ここで囮をやっていればこれ以上巨人が森へ侵入することは防げ、リヴァイ班が女型の相手に専念できます。
リヴァイ班に追いつき、エレンを視認した女型。背後から現れる増援の兵士を次々と叩き潰します。ハエを払うが如しです。
オルオとエルドがリヴァイに応戦の指示を求めますが、リヴァイは応じません。とにかく前へ進めと。
味方が殺されていくのに耐えられなくなったエレンは、巨人化して戦おうとします。ペトラは止めますが、リヴァイは・・・
「エレン お前は間違ってない やりたきゃやれ」
「自分を信じるか 俺やコイツら 調査兵団組織を信じるかだ」
「俺にはわからない ずっとそうだ・・・ 自分の力を信じても・・・信頼に足る仲間の選択を信じても・・・結果は誰にも分からなかった・・・」
「だから・・・まぁせいぜい・・・悔いが残らない方を自分で選べ」
百戦錬磨、人類最強の兵士がいうと重みのある言葉です。これまで戦場で数え切れない決断をし、その結果生き延びてきたリヴァイ。
ただそれも結果は予測できたものではなく、誰にも先の読めない濁流の中を必死に這いずりまわってきた結果なのでしょう。
エレンはリヴァイ班に編入されてからのことを思い出します。
自分が巨人になりたいと思ってもうまくなれず、後から遅れて発動したこと。
班員たちが誰よりも強く巨人に対する敵意を持っていること。
一人では大したことが出来ないから互いを信じて組織で活動するというペトラの言葉。
エレンは仲間を信じて前進することを決意。全力で馬を駆りますが、そのせいでまた増援が女型に殺されます。
吹き荒れる死の嵐。エレンは早くも自分の決断を後悔しはじめます。
なぜ仲間を見殺しにしてまで前進することを選んだのか、それは信頼という言葉の響きに酔ったからじゃないのか?
化け物扱いされて辛かった、だから仲間とつながっていたかっただけなんじゃないか?
そう自問した時、リヴァイ班は目的地へ到達します。
木々に隠れて配置された大量の砲。エルヴィンの合図で四方から一斉にワイヤーが放たれ、女型はその場に釘付けになります。
さらに入念にボルトを打ち込み、巨人の関節を固定。形勢は一転し、女型はまな板の鯉となりました。
さあ、リヴァイ兵長による巨人の解体ショーの始まりです。
一体中にいるのは誰なのでしょうか・・・?
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