(23)女型の巨人
さて突如現れた女型の巨人がアルミンに迫ります。
馬から振り落とされ、女型に追いつかれ、アルミンTHE.END!と思いきや、女型はアルミンのフードをつまんで顔を覗き込み、そして殺さずにその場を去ります。
これは今までの巨人には見られない行動です。
巨人の唯一の行動原理は人を食うこと、その原則に反していますね。やはり女型の巨人の正体は人間であり、人間としての意識を保ったまま行動しているようです。
自分に襲いかかってきた班長と兵士は一瞬で叩き殺しましたが、逃亡したアルミンは顔を見ただけで殺さなかった。その理由は?
ライナーとジャンがアルミンに合流します。情報によると陣形の右翼は壊滅、すでに索敵が機能せず、下手すれば全滅の恐れもあるとか。
女型が引き連れてきた巨人による被害です。
アルミンは女型が探しているのはエレンだと考えます。エレンの位置は兵士たちにそれぞれ異なった情報が与えられており、アルミンはそこにエルヴィン団長の意図を感じ取ります。
しかし、今は考え事をしている時間はありません、このまま女型の本隊接近を許せば全滅です。ジャンの提案は、自分たちが囮になって時間を稼ぐことでした。
「オレには今何をすべきかが分かるんだよ! そしてこれがオレ達の選んだ仕事だ!力を貸せ!」
かつてマルコ、そしてエレンに言われた言葉をジャンはその身に刻み、糧として成長したのでしょう。内地の特権を欲しがっていた頃のジャンとは別人です。
とにかく、作戦は時間稼ぎ。相手は知性を持ち、うなじの弱点を把握している。普通の巨人とは別次元の存在です。無茶はしないことを確認し、馬で追いすがります。
接近したところで女型は進路を変えて反転、アルミンの馬を潰し、襲いかかるジャンも簡単に払いのけます。
女型がジャンのワイヤーを掴んでTHE・END!と思ったその時!
「ジャン!仇をとってくれ! 右翼側で本当に死に急いでしまった死に急ぎ野郎の仇だ! そいつに殺された!」
頭を打って血まみれのアルミンが叫びます。「死に急ぎ野郎」は訓練兵同期の間でのエレンのあだ名ですが、なぜか女型の動きが止まりました。
明らかにアルミンの言葉に反応しています。
そのスキを見のがさず、ライナーが女型のうなじめがけて急襲!
しかしこれには女型が素早く反応し、ライナーは巨人の右手で捉えられてしまいます。握った拳に力を入れる女型。泡を吹くライナー。THE.END!
と思いきや!ってこの展開ばっかりなんですが、ライナーは扇風機の如く女型の指を切り落として奇跡の生還!
この体勢から生きて帰った人間はそう多くないのではないでしょうか。ライナー輝いてます。さすが訓練兵団の次席です。
女型はライナーたちの追撃をやめ、方向転換して去っていきます。その向かう先は・・・陣形の中央後方、エレンのいる方向でした。
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