(20)特別作戦班

エレンの身柄は調査兵団に預けられることになりました。

拠点として使うのは旧調査兵団本部。古城を改装した立派な建物ですが、壁と川から遠く交通の便が悪かったようで現在は使われていません。

 

エレンが所属するのは調査兵団特別作戦班、通称リヴァイ班。巨人殺しの達人をリヴァイ兵長が直々に選抜して作られた、エレンの護衛と監視を目的としたチームです。

班員のペトラから少しだけリヴァイの過去が聞けます。なんでも以前は都の地下街で有名なゴロツキであり、エルヴィンに下る形でスカウトされたと。

今では組織に従順でルールを重んじるまともなサラリーマンになっているようですが・・・。

 

夕食にはハンジ分隊長が訪問し、翌日の実験でエレンに協力するよう依頼します。

明日の実験とはなんですか?と当然の疑問を口にするエレンですが、ハンジがその話をしようとすると全員が席を立ち部屋から出ていってしまいます。

やべーこいつ地雷踏みやがった・・・とでも言うような気まずい空気ですが、ハンジは目を輝かせて巨人の実験について語り始めます。

 

トロスト区奪還作戦で捕獲した巨人は2体。「ソニー」「ビーン」と名付けられました。

 

※追記 読者の方から情報提供を頂きました。

「ソニー」「ビーン」の名前は、スコットランドで多数の人間を殺して食べたという伝説を持つ「ソニー・ビーン」が由来ではないか?とのことです。

貴重な情報、ありがとうございました。

 

意志の疎通、日光の遮断、痛覚の確認と実験を進めていきます。

ハンジは自ら実験の先頭に立ち、巨人に噛み付かれそうになりながらもコミュニケーションを楽しんでいるようです。

 

が、さすがにタダの気違いではなかったようです。見るべきところは見ていました。

ハンジが気づいたのは巨人が異常に軽いということ。

そもそも物理的にはあの巨体が二本足で立つことは不可能。切断した腕や首はあるべき重量に達していなかったのです。

「私は思うんだ 本当は・・・ 私達に見えている物と実在する物の本質は・・・ 全然違うんじゃないかってね」

この意味深な言葉、おそらく巨人の謎を解き明かすヒントになっているのではないでしょうか。

巨人を見たままの印象で「人類を捕食し生存を脅かす天敵、人類を食べることだけが目的の正体不明の存在」と捉えることが誤りなのでしょうか?

もしかすると巨人の本質や目的は別のところにあり、それが「ユミルの民」と関係している・・・?

 

結局、ハンジの実験話は基本的な部分だけで朝まで続きました。そしてハンジの話がイルゼの事例に及ぼうとした時、火急の報せが。

なんと、巨人が2体とも殺されたというのです。

 

犯人は立体機動装置をつけた兵士で、2人以上での計画的な犯行。

エルヴィンはエレンに「君には何が見える? 敵は何だと思う?」と尋ねますが、エレンは理解できない様子で「・・・はい?」と返すのが精一杯。

 

進撃の巨人は人類vs巨人という単純な構図ではなく、人間と人間の争いも大きなテーマのひとつとなりそうです。

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