(6)少女が見た世界

ミカサの両親が冷たくなった姿で発見されました。

 

見つけたのは往診に来たイェーガー医師と息子のエレンです。

近くにミカサの姿はありません。どこかの森の小屋へで後ろ手に縛られていました。

どうやら人身売買が目的の誘拐のようです。

ミカサはこの世界で絶滅した東洋人の血を引いており、マニアの富豪が地下街で高い値段をつけて探しているらしい。

純血の東洋人はミカサの母でしたが、抵抗したため逆上した誘拐犯三人組の一人が殺してしまいました。短絡的でずさんな犯行です。

 

監禁小屋へエレンがやってきます。なぜ?どうやって見つけたのでしょう?血痕やパンくずでも辿ってきたのでしょうか。

迷子と称して泣きべそかいていたエレンですが、犯人の一人が近づいてくると態度を豹変、ナイフの一突きで喉を掻っ切って殺害します。

「死んじゃえよクソ野郎」

どう見ても小学生くらいの年齢のエレンに一瞬で殺されるゴロツキA。死んでも死にきれません。あの世で仲間に「ダッセwww」とバカにされることうけ合いです。

エレンは続いて2人目も刺殺。こなれています。

「お前らなんかこうだ!こうなって当然だ!」

倒れた相手にマウントから短刀でメッタ刺し!「ドス」という効果音を数えただけで10回以上刺してますね。やりすぎです。

断末魔の絶叫をあげ、誘拐犯Bは動かなくなりました・・・。

 

なぜ、単なる誘拐犯をここまで憎むのでしょう?この時点ではエレンはミカサと面識がありませんので、通りすがりの犯罪だったはずです。

自ら危険を冒して犯人と戦わなくても、場所だけ通報すればよかったのではないでしょうか?

イェーガー医師は憲兵団に通報すると言っていました。この世界では憲兵団が警察の役割を負っていることがわかります。

 

ミカサの拘束を解いて自己紹介を始めるエレン。なぜこんなに落ち着いているのか本当に謎です。

別にいつものことさと言わんばかり。そこへ最後の誘拐犯Cが戻って来ました。エレンが床のナイフを拾うより早く、誘拐犯Cの蹴りがエレンのみぞおちを直撃!

もんどり打って床に這いつくばるエレン。誘拐犯Cがネックハンギングでエレンを吊り上げます。首を絞められながらもエレンはミカサに「戦え!」「戦わなければ勝てない」と絶叫。呼吸できないはずなのにどうやって大声で叫ぶのか、この世界の物理法則はとても興味深いものがあります。

ミカサは血まみれのナイフを拾うも、膝はガクガク鼓動は早打ち、「そんな・・・できない・・・」と涙を流します。この頃のミカサは普通の少女だったようです。

 

その時思い出した

私が今体験している非情な出来事は

今までに何度も見てきたものだ

そうだ

この世界は・・・残酷なんだ

 

生き物が他の生き物を殺し食べることで生存する、そんな当たり前の事実を再認識したミカサ。

自分が生きるためには残酷な世界のルールに従わなければならない、それが自然なことだと気づきます。

 

自分が今この残酷な世界で生きていることを実感した瞬間

体の震えが止まった

その時から私は自分を完璧に支配できた

 

超戦士ミカサの覚醒です。目がすわり、鬼気迫る表情で背後から誘拐犯cをめがけて渾身の一突き!

握りしめたナイフの柄も踏み込んだ床板も音を立てて割れます。ミカサが人斬り抜刀斎を超えた瞬間です。

どんな具合で脳内物質が出るとここまでの物理的なパワーを発揮できるのかわかりませんが、ともかく肋骨を貫通してナイフが縦に入ってます。

ナイフは刃を寝かせて刺さないと骨で阻まれて致命傷にならないと聞きかじりましたが、ミカサの前ではそんなにわか知識は無意味です。骨が邪魔なら骨ごと貫けばいいじゃない、そんな貫禄。

 

かけつけたイェーガーはエレンの危険を顧みない行動を叱咤しますが、エレンは「早く助けてやりたかった・・・」と答えるのみ。なぜあそこまで敵意をむき出しに単身で乗り込んで大立ち回りをしたのか、そこまでの動機があったのかは不明のままでした。

 

現実に戻り、茫然自失のミカサ。自分にはもう帰るところがない、寒いとつぶやきます。

エレンは自分のマフラーを外し、ミカサの首にグルグルと不格好にまきます。顔が隠れるほどに。

「あったかいだろ?」「早く帰ろうぜ オレ達の家に」

ミカサの袖を引いて促すエレン。イケメンです・・・。これがミカサのいう「一度死んだ自分を蘇らせた」という記憶。

そして二度と家族を失いたくないという精神的な抑圧の源になっているのですね。壮絶です。

この世界では悪人を刺殺しても罪には問われないようです。日本のように加害者の人権ばかりが尊重されることがない。スッキリしていていいですね。

 

場面は現在に戻り、住民の避難と門の施錠が完了!撤退の合図が鳴ります。

ミカサは前衛の支援に回ると言い残し単身で後衛を離脱。エレンの元へ向かいます。

 

「私には・・・この世界に帰る場所がある エレン・・・あなたがいれば私は何でもできる」

 

エレン「巨人の胃袋なう」

 

ミカサの強さを支えるのはエレンの存在でした。恋愛感情とは違うようですが、強力な依存関係だったというわけです。

エレンが他の女の子を好きになったりしたら、あっさりと負の奈落へ引きずり込まれそうな脆さを感じますね。

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